2012年12月9日日曜日

北イタリアを旅して VIII~解剖学を世界で初めて実施した大学へ~

          北イタリアを旅して Ⅷ
研究部  浅 香 時 夫 
ボローニヤ大学は、1088年に設立された、ヨーロッパ最古の総合大学であり、13世紀には、1万人の学生がいたと言う記録が残っている。
規模においてイタリア国内第2位の大学で、世界の大学の原点とされ、「母なる大学」とも雅称されている。
創立以来9世紀を超える歴史のうちにはペトラルカやダンテ・アリギエーリ、ガリレオ・ガルレ、コペルニクスなどといったそうそうたる才人が過去の在籍者に名を連ねている。
また、13世紀には、ローマ教皇庁から、ストゥディウム・ゲネラーレ(大学、中世大学)の認定を受けた。
14世紀には、解剖学の講義と臨床が行われていたと言う、伝統ある医学部が評判高い。 
それでは、今見ることの出来る最古の医学部を見てゆこう、 

医学部の廊下
医学部の廊下
解剖学教室の廊下
解剖学教室の廊下
 医学部の廊下に残された、偉大な先人達の家紋
医学部の廊下に残された、偉大な先人達の家紋

復元された解剖学教室の内部 

嘗て、此処で教鞭を採った教授の中でジョヴァンニ・カッシーニとウンベルト・エーコが有名であったと言われている。
  解剖学教室の教壇  
解剖学教室の教壇
 横壁の装飾
横壁の装飾
 解剖台
解剖台
解剖台は木製で、台の周囲は柵で囲れる。  
学生はこの柵の回りから、執刀者の講議を受けるのであろう。  
台の周囲は2段の階段教室である。

天井に施された彫刻
天井に施された彫刻
天井は、芸術的に人体各部の彫刻で飾られている。
                         
この旅の目的の一つであった、歴史を刻んだボローニヤ大学、この時代の解剖学は、当時のヨーロッパ人には、病との関連よりも、芸術的発想との関連から人体美の解剖学が発想された一面もあるのでは、としばし、戸惑いぎみの私であった。

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